b型肝炎訴訟の概要
日本におけるb型肝炎ウイルスの持続感染者は100万人以上存在すると推計されており、このうち、昭和23年から昭和63年の間に、予防接種やツベルクリン反応検査といった国による集団予防接種を受けた方で、注射器の使い回しを原因としてb型肝炎ウイルスに持続感染した方が、40万人以上存在すると言われています。
これらの感染被害者は、これまで国からの救済措置を受けることがなく、将来の発症不安や慢性肝炎・肝硬変・肝ガンといった病気で苦しんでいました。
Bこうした被害者の方々が、国の法的責任に基づく損害賠償等を求めた裁判が「b型肝炎訴訟」です。
基本合意と特別措置法
国の責任を認める最高裁判所の判決が、平成18年に出されていましたが、当時の北海道における原告団が同じ救済対策を全国の被害者に対して求めたのにもかかわらず、国・厚生労働省がこれを拒否したため、全国10地裁で被害者が集団提訴し、国を相手に争っていました。
平成22年より、裁判所において、全国の原告および将来提訴原告を対象として、原告団と国との間で和解協議が始められました。
翌年には、裁判所の和解所見を原告・国の双方が受諾することを正式に発表し、国の正式な謝罪を受けて「基本合意書」が締結されました。
平成24年より、「特定b型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が施行され、裁判において和解が成立した方に対し、法に基づく給付金の支給が決定されました。
和解内容
特別措置法に基づく救済処置を受けることができる対象者として、7歳になるまで、集団予防接種の際の注射器使い回しに伴う、b型肝炎ウイルスに持続感染した方と、その方から母子感染した方およびその相続人としました。
対象者が給付を受けるため、国に対して損害賠償を求める訴訟の提起・調停の申し立てを行い、裁判所による和解手続きを経て、支給対象者として認定されます。
支給される金額は、病態の区分に応じて異なっており、無症候性キャリアの方で50万円から、死亡・重度の肝硬変・肝ガンの方で3,600万円と、和解金が変わってきます。
和解するためには、病状の診断書や受給対象となるための証拠提出によって、認定の可否・和解金支払額の決定がされます。
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