母子感染の経路
女性の方は、妊娠の際に必ずb型肝炎ウイルスに感染していないかどうか検査することをおすすめします。
母親がb型肝炎ウイルスに感染している場合、赤ちゃん・小児へ感染する確率は、予防措置を実施しないと100%であるためです。
小児がb型肝炎ウイルスに感染すると、免疫力がないため、b型肝炎ウイルスが肝臓細胞に留まり、持続感染することで慢性肝炎を発症するおそれがあります。
慢性肝炎となると、b型肝炎ウイルスを体外に排出することはほぼ不可能であるため、病気を完治させるのではなく、症状が現れないように抑え込む治療が行われます。
感染経路としては、妊娠中に、お母さんの血液に含まれるb型肝炎ウイルスが胎盤から小児の血液に移ることはありませんが、出産時において産道を通る際、お母さんの血液に触れることでb型肝炎ウイルスに感染します。
よって、出生した小児に、b型肝炎ウイルスに対する抗体を有するb型肝炎ワクチンを接種することで免疫力を高め、感染を防ぐ予防事業が国から定められています。
国の予防事業
国は、1986年よりb型肝炎ウイルスの感染拡大を防止するため、予防事業として「b型肝炎母子感染防止対策」をスタートさせました。
この予防事業は、女性が妊娠の際にb型肝炎ウイルスに感染していないかを検査し、感染が確認された場合、感染防止措置としてb型肝炎ウイルス抗原検査が行われ、その結果によってワクチン投与といった感染予防対策を実施します。
ワクチンは、小児が生後間もない時期に1回目、3ヶ月後に2回目、半年後に3回目を接種することで小児のウイルスに対する免疫力を高め、非常に効果的な感染予防策となっています。
b型肝炎母子感染防止対策が施行されてからは、b型肝炎の母子感染による患者数は激減しました。
母子感染とb型肝炎訴訟
国は、過去に、7歳になるまで集団予防接種によって注射器を使い回したことでb型肝炎ウイルスに感染した方と、その方から母子感染した方に対して2012年より「特定b型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法を施行し、給付金を支給しています。
現代では、注射器の使い回しは法律により禁じられているため、予防接種によって感染拡大することはありませんが、すでに感染しているキャリアの母親から生まれた子どもに母子感染する危険性は今でも存在します。
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