急性肝炎の感染経路
一過性感染による急性肝炎は、b型肝炎ウイルスのキャリアを有する人を感染経路とし、唾液や血液を通じて感染します。
以前は、急性肝炎の原因として、注射器・注射針の使い回しによる血液感染が感染経路として非常に多く、ウイルスを有するキャリアの血液を介してb型肝炎ウイルスが入り込むため感染率も非常に高く問題となっていました。
しかし、現在では、薬事法の改正から注射器の使い回しや血液輸血に伴う感染はほとんどなくなっているため、感染経路として問題となっているのは、唾液や精液・膣分泌液などを介した人との接触による水平感染がほとんどです。
特に近年では、若年層を中心に、性交渉などに伴う急性肝炎患者が急増しており、その感染率の高さは社会問題となっています。
持続感染の感染経路
幼児期の赤ちゃんは、免疫機能が発達していないため、b型肝炎ウイルスに罹患するとウイルスが持続的に肝細胞に住みつき、持続感染者であるキャリアとなる場合があります。
日本におけるb型肝炎ウイルス感染者は120万人以上存在すると言われていますが、大半を占めるのが、母子感染防止策をとられる以前の母子感染によるものです。
母親がb型肝炎ウイルスに感染していると、出産時に産道の血液が感染経路の原因となって、赤ちゃんに感染することがあります。
現在では、1986年以降、母子感染防止策が取られているため出産を原因としてb型肝炎ウイルスに感染することはなくなりました。
他のウイルス感染性と比べて
b型肝炎の感染経路は、ウイルス感染症であるため、キャリアの血液や唾液といった体液を介して感染する点において、HIVといった他のウイルス感染症と同様の感染経路を辿ります。
HIVは世界中で大きな社会問題となっている病気ですが、b型肝炎ウイルスの感染力はHIVより50倍から100倍強いウイルスで、世界中で20億人が感染している病気と言われています。
また、毎年60万人がb型肝炎によって死亡していると言われ、その感染力の強さは世界的な問題となっています。
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