b型肝炎の予防方法

３歳以下の子どもがb型肝炎ウイルスに感染すると持続感染したキャリアとなりやすく、特に母親がb型肝炎ウイルスのキャリアである場合、母子感染することが社会問題となっていました。

これに対し、日本では、1986年にスタートしたb型肝炎母子感染防止事業により、母親からのウイルス感染はほぼなくなりました。

b型肝炎の予防方法として、あらかじめワクチンを接種することでウイルスに対する免疫力を高め感染しないように、あるいは、感染してもウイルスを体外へ排除することができるよう準備することができます。

b型肝炎ワクチンは、生後間もない段階で１回目を接種し、その後２〜３ヶ月で２回目、半年後に３回目を接種することで、b型肝炎に対する免疫力を高めます。

成人であっても、b型肝炎ワクチンを３回に分けて接種することで、その後5年間程はワクチンの効果が期待できるため、海外渡航する方には接種されることをおすすめします。

持続感染によるキャリア化は、幼児期のワクチン接種である程度抑えることが可能ですが、まれに、一過性感染による急性肝炎発症からウイルスが体内から排出できず、キャリア化してしまうこともあるため、日常生活においても予防対策の方法を考えておく必要があります。

b型肝炎ウイルスは、キャリアの血液や体液に存在し、それに直接的・間接的に接触することで感染します。

他のウイルス感染症と同様、手洗い・うがい・消毒等、衛生面に配慮しておく必要があります。

血液感染といった、医療機関による感染は、輸血や注射器の使い回しなどで過去に社会問題にもなりましたが、今では国の規制によりほとんどありません。

しかし、覚せい剤・刺青の際の注射器使用に伴う血液感染は以前よりも増えており、また、b型肝炎ウイルスは唾液や精液にも含まれるため、性交渉を伴う感染が若い人たちの間で増えている事実もあります。

日常生活における最低限の消毒等、生活習慣から予防する方法と、違法行為の危険性を理解し、性交渉時のコンドーム使用を徹底するなどの方法により、感染拡大を予防することができます。

b型肝炎は、世界中で２０億人が罹患していると言われ、そのうち６０万人が毎年命を落としている恐ろしい病気ですが、症状を抑えることで肝硬変・肝ガンへ悪化することをコントロールできる病気でもあります。

しかし、感染後に潜伏期間があり、初期症状も風邪に近く自覚症状がないケースもあり、気づいた時には病状が進行していることもあり、感染拡大の原因ともなりやすいため、早めの検診・診察が感染予防のために非常に重要であると言えます。